いまさら聞けない。配当金って何だっけ?

配当金って何だっけ?
投資で受け取れるお金と言えば、『配当金』『分配金』『利息』といろんな言い方があります。
特に、『配当金』と『分配金』の違いって、よくわかっていない人もいるのかもしれない。
まず、『利息』だけど、これは債券や貸付から受け取れるお金のことです。
株式や投資信託ではなく、債券や貸付、定期のように満期があり、預入時に一定のクーポン(金利)が定められているものというイメージになります。
では、『配当金』と『分配金』はどうだろう?
『配当金』は、株式を所有していることで受け取れるお金です。
『分配金』は、株式や債券ではなく、ファンドと呼ばれるもの。
株式に投資をしてる投資信託も、ファンドと呼ばれ、このファンドから支払われるお金も、やっぱり『分配金』という事になります。
ちなみに、ファンドとは、複数の人からお金を募り、一括でまとめて運用しているもののことです。
『配当金』と『分配金』の大きな違い。
配当金の支払いの原資となっているものは、『企業の利益』です。
企業が事業を行い、利益を上げ、その中の一部を『配当金』として支払っています。
つまりは、企業が利益を上げなければ、『配当金』はないという事もできるわけです。
しかし、『分配金』は、利益を原資にしているとは限りません。
よく『タコ足分配』などと言われることもあるように、利益がでている出ていないに関係なく。
今預かっている資金の中から、返しているだけのものもあります。
この『配当金』と『分配金』の性質の違いは、とても大切なポイントです。
たまに、『分配金』が出ている=利益がでている。と勘違いしている人もいるようですが、「利益が出ている=」なのは、分配金ではなく、『配当金』だということです。
(その期で利益が出ていなくても、配当金が支払われることもありますが。)
配当金は重要だけど、分配金にはそれほど意味がない。
配当金の存在は、企業の健全性を把握するのに役に立つ指標です。
配当金が出ているという事は、企業の事業がそれなりに利益をもたらしていることを示し、また、株主にも利益を還元しようという株主を大切にする意識が見えるからです。
株式投資と言うのは、企業へ投資をすること。
企業に投資をすると言う事は、その企業が行っている事業に投資をしていると言う事もできます。
そのため、株主にとって重要な株価の上昇には、事業運営の健全性がポイントになってきます。
配当金は、それを測るための指標として役に立つことがあるわけです。
中には増配企業と言って、配当金を毎年増額しているような企業もある。
こういう企業は、事業の利益が伸びていることを感じさせ、株価も上昇していく傾向にあります。
『配当金』は、配当金そのものだけでなく、配当金がどう支払われているのかを見ることで、株式投資する価値があるのかどうかを測ることができるわけです。
しかし、分配金にはそのような機能はありません。
健全に運営されている投資信託が、たくさん分配金を支払っているわけではありません。
むしろ、分配金の少ない投資信託の方が、健全に運営されていることが多いでしょう。
分配金は出なくてもいい、分配金の多い少ないは、投資信託の運用パフォーマンスには、ほとんど関係ないわけです。
もしお金が欲しいなら、分配金として受け取らなくたって、その分だけ投資信託を売却、もしくは解約すればいい。
中には、毎月定期的に投資信託を売却するサービスを行っている証券会社もある。
また、売却する必要も解約する必要もないなら、投資信託内で再投資してくれればいい。
再投資して運用していてもらった方が、複利運用になるし、税務的にもメリットは大きい。
お金が必要になった時に、売却するなどして現金を受け取ればいい。
『配当金』と『分配金』は、まったく似て非なるもの。
確かに、言葉も似ているし、そのあり方も似ている。
しかし、そのお金が『配当金』であるのか、『分配金』であるのかの意味は、投資家にとって全然違うものなのです。
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