知ってるつもりは危険です。投資と投機はちがうのか?

投資と投機は違う?
資産運用の話で、必ずと言っていいほど出てくる言葉が、『投資と投機は違う』という話です。
投機は、ギャンブル。
そして、ギャンブルはいけない。
反面、投資は、良い。
より良い未来を想定して、お金を賭けることは正しいこと。
本当にそうなのだろうか?
投資は良くて投機は悪いの?
そもそも、投資と投機は何が違うのだろうか?
本音では、株式市場では『投資』も『投機』も同じだと思う。
投資とは、世界の経済成長を自分の資産の一部とすることなのだろうか?
人類の未来は必ず良くなる、経済成長は将来にわたって約束されている。
もしそうなのであれば、「株式市場では、そのことはすでに株価に反映されている。」
というのが、金融市場の常識とまでなっている『効率的市場仮説』の考え方なのでは?
効率的市場仮説では、今わかっている情報は、すべて市場に反映されていると考えられています。
つまり、10年後市場が確実に良くなるとわかっているなら、その分の値段は株価に含まれている。
10年後150万円になるとわかっている資産を、今100万円で買うか、120万円で買うか?
当然株式市場は、オークションと同じだから、高値を付けた人が買うことになる。
周りが120万円出すと言っているときに、100万円では買えない。
そんな風に、将来150万円になることが、確実にわかっているのあれば、150万円近くまで値が上がることになるわけです。
人類の未来が良くなることは確実?
世界経済は成長を続ける?
本音の株式市場では、そんなこと関係ないと思いませんか?
上がるか下がるかわからない中、買うか売るかの選択を迫られる。
それが株式市場の本音です。
世界経済がどうのこうのという話は、すでに株価に反映されているか、そんなものなんの関係もないのかのどちらかです。
結局、株式市場に残っているのは、『丁か半か』の博打となにも変わらない。
市場が効率的市場なのであれば、予測は無意味。
そして、ほぼ確実な未来はすでに織り込み済み。
ギャンブルや投機といわれるものと実際のところは、かなり類似している。
数学的に勝てる可能性があるか?
結局、投資も投機もやっていることが同じなのであれば、その参加しているゲームがプラスサムゲームであることが、勝てる秘訣になってくる。
お金を使ったゲームというのは、プラスサムゲームとマイナスサムゲームの2つがある。
プラスサムゲームというのは、ゲームに参加する人全員の損益を合計すると、プラスになるゲーム。
マイナスサムゲームというのは、ゲームに参加する人全員の損益を合計すると、マイナスになるゲーム。
プラスサムゲームに参加していれば、勝ったり負けたりを繰り返しながらも、最終的には勝てる可能性が高い。
でも、マイナスサムゲームに参加していると、勝ったり負けたりを繰り返しながら、徐々に損失を膨らましていくことになる。
競馬やパチンコ、宝くじなどの、ギャンブルと呼ばれるものの多くが、基本的にマイナスサムゲームになっている。
なぜなら、ゲームを運営する胴元が儲かるようにシステムができているから。
言い方を変えると、マイナスサムゲームのゲームに参加するという事は、負けるとわかっているゲームに参加することを意味します。
重要なことは、株式投資がプラスサムゲームなのかどうかという事です。
賢い投資家と呼ばれる人たちの多くは、プラスサムゲームにしか参加しないことで、お金を増やしてきた。
ゲームに参加する前に、そのゲームがプラスサムゲームなのか、マイナスサムゲームなのかを判断することはとても重要。
株式投資がプラスサムゲームなのかマイナスサムゲームなのか、その答えはズバリ『わからない』と言うのが本音でしょう。
過去の米国の株式チャートを見れば、明らかにプラスサムゲームのように見える。
でも、今後将来にわたってプラスサムゲームになるかどうかは、『やっぱりわからない』。
もっと言えば、50年とか超長期ではプラスサムゲームでも、私たちが生きていいて、一番お金が必要になる間の期間がプラスサムゲームであるかどうかはわかならない。
少なくとも、1990年ごろからのここ30年ぐらいの日本の株式市場は、プラスサムゲームだったとは思えない。
マイナスサムゲームの中に、プラスサムゲームを見つける?
株式市場が、マイナスサムゲームだったら、あきらめるのか?
どうやらそんな必要はないらしい。
実は、マイナスサムゲームの本命であるカジノで、大儲けしていた投資家もいる。
『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(上) 偶然を支配した男のギャンブルと投資の戦略(エドワード・O・ソープ)』
マイナスサムゲームの中にも、やり方次第で、プラスサムゲームにできる時もあるということです。
問題は、不利なゲームでも、『プラスサムゲームにできる賭け方』を知っているかどうか。
ウォーレン・バフェット曰く、『株式市場に見逃し三振はない』。絶好の機会が来た時にだけバットを振ればいい。
この考え方って、投資ではなく、そのままで投機にも通用する考え方ではないですか?
むしろ、投資と呼ばれる世界にだって、投機の考え方は必要なんだと思うんです。
『投資と投機は違う』という言葉を、そっくりそのまま受け取ることは、危険だと思うんです。
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